考え中のの老人男性2022年度の税制改正大綱で注目されていた「相続と贈与税」の制度変更につきまして、相続税対策として活用する方が多い「暦年贈与」の大幅な制度変更が見込まれていましたが今回は見送られることとなりました。2023年末までは110万円の非課税枠は存置と見られています。

目次

1.暦年贈与とは?
2.暦年贈与を利用する狙い
3.生前贈与をするべきか?確認方法
4.贈与に関する特例措置
5.今後、検討するべき対応
6.まとめ
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1.暦年贈与とは?

暦年贈与「110万円非課税枠」とは、子や孫などに対しての贈与が1人につき年間「110万円」までなら何度でも非課税となる制度になります。この制度を使い、複数年にわたって贈与をすれば多額の資産を子や孫などに移転することができるため、これまで相続税対策として広く利用されてきました。

2.暦年贈与を利用する狙い

2015年(平成27年)の相続税制大改正によって課税対象者が大きく増えたことから、相続財産を圧縮するために暦年贈与の非課税枠「110万円」を検討する人が多くなっています。そうした人にとっては、暦年贈与に関する制度改正がおこなわれるまでの今後数年間が「駆け込み贈与」としての、またとない機会になると見られています。

3.生前贈与をするべきか?確認方法

手順1財産の確認と目録の作成不動産や預貯金のほか、自動車や貴金属類、有価証券等のすべての財産を明確に洗い出し、ローンや負債などの確認をおこなう。
手順2相続人の確定被相続人となる方の戸籍謄本をもとに相続人を確定します。家系図を作成することで相続人の把握が容易になります。
手順3相続税と贈与税の試算相続人の数から基礎控除額を算出し、財産に相続税が課税される見込みとなる場合には生前贈与と比較し、どちらが得となるかを確認します。
手順4生前贈与の開始子や孫などに生前贈与をする場合には都度、贈与契約書を作成します。子や孫などの口座を作り、財産を移転すると名義預金とみなされ課税されることがあるので注意が必要となります。

 

4.贈与に関する特例措置

贈与に関するその他の特例措置としては、

①親や祖父母等から住宅取得等のための資金を贈与された場合に非課税限度額まで非課税になる住宅取得等資金等に係る贈与税の非課税措置

②親や祖父母等が金融機関の子や孫名義の専用口座に教育資金を一括拠出した場合1500万円非課税になる教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置

③親や祖父母等が金融機関の子や孫名義の専用口座に結婚・子育て資金を一括拠出した場合1000万円非課税になる結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置

④60歳以上の父母・祖父母から18歳以上の子・孫へ贈与する場合相続税計算時に贈与税を精算する相続時精算課税制度等

があります。

5.今後、検討するべき対応

暦年贈与は今後改正される可能性もあり、また前述した贈与に関する特例措置の②③はいずれも令和5年3月31日、①は令和5年12月31日までが適用期間となっています。
今後、検討するべき対応としては特例措置を利用するかしないかを含めて早く検討し、利用する場合は手続きを早く進める必要があると考えられます。

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6.まとめ

今回は見送られることとなった「相続と贈与税」の税制改正ですが、2022年12月の税制改正大綱では具体的内容が示される可能性が高いと思います。暦年贈与の「110万円非課税枠」の撤廃や基礎控除の縮小、生前贈与の相続への「持ち戻し期間」の延長が行なわれる可能性は高まったと思います。とはいえ、現在は暦年贈与の制度は廃止されておらず、あくまでその可能性があるに過ぎないことに注意しましょう。暦年贈与をお考えの方や、お悩みになっている方は、専門家に相談することでご自身に合った対策方法が見つかるかもしれません。

 

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著者情報

代表 柳本 良太

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    <資格>

  • 2004年 宅地建物取引主任者試験合格
  • 2009年 貸金業務取扱主任者試験合格
  • 2009年 司法書士試験合格
  • 2010年 行政書士試験合格
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