土地価格が暴落の恐れ!?2022年、生産緑地問題(後編)
前編では、生産緑地問題によって土地価格の暴落の恐れと生産緑地とその制度について解説させて頂きました。後編では生産緑地の指定解除前後の税金と農地売却の増加によって不動産の地価が下がってしまう恐れについて解説いたします。
目次
1.生産緑地の指定解除前後の税金について
2.農地売却が増加することによって不動産の地価が下がってしまう?
3.前編、後編まとめ
1.生産緑地の指定解除前後の税金について
生産緑地では、固定資産税が農地並み課税(1,000㎡あたり数千円程度)となる利点があります。相続税に対しても「納税猶予の特例」が利用可能となっており、相続税の心配なく都市部の農地を次世代に遺すことが可能となっています。生産緑地の指定を解除すると、農地以外の活用ができるという利点を得ると引き換えに、こういった生産緑地であることによる税制優遇処置の利点を手放すことになります。そのため、生産緑地の指定を解除する場合、どのくらいの税金を支払っていくことになるのか事前に把握しておくことはとても重要となります。生産緑地制度の指定解除後のリスクとして、「固定資産税の増税、相続税の上昇」が挙げられます。もっとも一定の「5年間の激変緩和処置」が設けられていますのでこれらを踏まえ農地を継続してゆくのか、売却をするのかを慎重に考えねばなりません。
2.農地売却が増加することによって不動産の地価が下がってしまう?
首都圏・関西・中部地方の政令指定都市の「生産緑地は1万ヘクタール」を超えるとされています。その「約8割」で、「2022年に農地の買取り申請が可能」となります。農地所有者が高齢や病気などを理由に農業を断念し、多くの所有者が市区町村の管轄に土地の買取り申請をするケースが予想されます。
生産緑地のまま買取る人がいない場合、生産緑地の指定から外されることになってしまい固定資産税が宅地並みに跳ね上がるため、所有者は税負担の増大を避けるために土地の売却を検討せざるおえない状況となってしまいます。そこに住宅メーカーや開発業者が買い取りを申し出ることによって、大量のマンション、アパート、住宅用地が市場に放出されることとなり不動産市況を一気に悪化させることになってしまう可能性と、土地価格の暴落に繋がってしまうかもしれません。農地売却だけにとどまらず、この問題は地価全体を押し下げる可能性もあり、土地の売却やご購入を検討されている方にとっては2022年の生産緑地制度解除後の動向が大変気になるところかもしれません。
3.前編、後編まとめ
生産緑地問題に関する税金と不動産のリスクについて解説させて頂きました。生産緑地法が1992年に改正され、間もなく解除の期限となる30年目が到来します。これによって農地の売却を検討されている方、土地の価格が下落したタイミングで購入を考えている方、土地価格が下がる前に高い価格で不動産を売却してしまいたいとお考えの方、様々なお考えがあろうかと思います。早めの売却を検討されている方や購入をお考えでお悩みの方は、専門家などにご相談や不動産査定をされることをおすすめします。
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