今回は司法書士法人やなぎ総合法務事務所で実際にお問い合わせがあったご相談についてお話しさせていただきます。
「血の繋がりは遺産配分において関係あるの?」「生前の金銭的援助は関係あるの?」というご相談です。
法定相続人・法定相続割合・寄与分について知りたい方は本ブログを見て参考にしていただけると幸いです。

目次

 

お悩み内容


血の繋がっていない姉と私(相談者)は相続する割合は同じなのでしょうか?
母の生前に母に対して介護や援助をしていたのですが、遺産の配分に関係はあるのでしょうか?

●家族構成

  • 母親(被相続人)
  • 姉A・姉B(母親とは血の繋がりがなく、養子縁組している)
  • 相談者(母親の実子)
  • 妹(母親の実子)

父親はすでに亡くなっており、母親が遺産を残しました。母親は姉A・姉Bと養子縁組をしており、彼女たちは法的に母親の子供と見なされています。

遺産分割の基本ルール


相続に関して、まず知っておくべきルールがあります。

法定相続人とは、法律で決められた相続する権利がある人のことです。血の繋がりがあるかどうかは関係なく、養子縁組をしていれば法定相続人になります。

法定相続分の基本的な割合は以下の通りです。

  • 配偶者と子供がいる場合:配偶者が1/2、子供たちが1/2を分け合います
  • 配偶者がいない場合、子供たちが全てを分け合います

今回のケースでは、姉A・姉Bも養子縁組しているため、相談者や妹と同じように母親の遺産を受け取る権利があります。つまり、遺産は姉A・姉B・相談者・妹の4人で均等に分けることになります。

生前の金銭的援助は関係あるか

次に、相談者が母親の介護をしたり、金銭的な負担をしていたことが遺産分割にどう影響するかです。

特別受益という制度があります。
これは、ある相続人が生前に被相続人(今回の場合は母親)から特別な贈与を受けていた場合、その分を遺産の一部として計算するものです。もし、姉Aや姉Bが母親から金銭的な援助を受けていたなら、その援助が特別受益として扱われる可能性があります。

また、相談者が介護や生活費の負担をしていたことが「寄与分」として認められるかもしれません。寄与分とは、相続人が被相続人の財産を守るために特別な貢献をした場合、その分を遺産から多く受け取れる制度です。しかし、寄与分を主張するためには具体的な証拠(領収書や記録など)が必要です。

まとめ

今回のケースでは、血の繋がりがない姉A・姉Bも養子縁組をしているため、遺産を平等に受け取る権利があります。
また、母親が生前に姉たちへ金銭的な援助をしていた場合、それが特別受益として遺産分割に影響するかもしれません。相談者が行った介護や金銭的な貢献が寄与分として認められる可能性もありますが、証拠を揃えて主張することが重要です。

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著者情報

代表 柳本 良太

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    <資格>

  • 2004年 宅地建物取引主任者試験合格
  • 2009年 貸金業務取扱主任者試験合格
  • 2009年 司法書士試験合格
  • 2010年 行政書士試験合格
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