相続で複数の相続人間の協議により相続財産を分ける場合、遺産分割協議書を作成して、この協議書に基づいて手続きを進めていくことが一般的となります。 しかし、何らかの事情により、完成した遺産分割協議書に変更を加える必要が生じた場合や、後になってやり直したいという話が出てくることがあります。例えば、遺産分割協議後に新たな財産が出てきた場合や、再度話し合いをした結果、変更する必要が出てきた場合等。今回は、遺産分割協議書の作り直しができるのか解説していきたいと思います。

 

目次

  • 遺産分割協議書の作り直しはできるのか?
  • 遺産分割協議のやり直しができる場合は?
  • 遺産分割協議が無効や取消しとなってしまう場合
  • 遺産分割協議のやり直しができない場合は?
  • 遺産分割協議をやり直した場合の税務関係
  • 遺産分割協議前に何か対処する方法
  • まとめ
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      遺産分割協議書のやり直しはできるのか?

      結論から言いますと、遺産分割のやり直しは「原則」としてできません。遺産分割協議が終われば、遺産分割協議書に各相続人が相続する遺産(相続財産)が記載されることになり、各相続人が相続手続きを済ませていきます。遺産分割協議後に変更をしたいと遺産分割協議のやり直しをしていたら、話し合いがまとまらなくなってしまうことになります。

       

      遺産分割協議のやり直しができる場合は?

      しかし、遺産分割協議をやり直す方法が例外的にあります。遺産分割協議が無効や取消しになる場合や、相続人全員が遺産分割協議のやり直しに合意している場合等です。ただし、取消しの場合については5年が経過すると時効で消滅してしまいます。遺産分割協議をやり直し、不動産があった場合は不動産登記の名義変更をしなければなりません。

       

      遺産分割協議が無効や取消しとなってしまう場合

      ・相続人の一部が参加していなかった場合には無効となります。

      ・相続人でない者が参加していた遺産分割協議については無効となります。

      ・相続人に意思能力のない者がいた場合や民法の規定に該当する場合は無効となります。

       

      遺産分割協議のやり直しができない場合は?

      遺産分割協議後に全員の合意を得ることができれば遺産分割協議をやり直すことができると伝えましたが、相続人の中から一人でも反対する者がいた場合には、遺産分割協議をやり直すことができなくなります。 あくまでも相続人全員の合意が必要ということに注意しましょう。

       

      遺産分割協議をやり直した場合の税務関係

      遺産分割協議をやり直すことで遺産の移動が発生します。これにより、譲渡・交換・贈与と判断されれば課税の対象となります。

      ・贈与税・所得税が課税される
      相続人全員の合意があれば遺産分割をやり直すことができますが、最初の遺産分割協議で遺産分割が行われると、相続人はその取得した財産の所有権を有することになります。その後、遺産分割のやり直しは各相続人間における財産の贈与または譲渡と判断されれば贈与税・所得税が課税されることになります。

      ・不動産取得税・登録免許税も課税される
      相続人全員の合意によって遺産分割をやり直し、不動産を新たに取得したことで名義変更を行うと、不動産取得税が課税されることになります。また、名義変更登記にかかる登録免許税も必要となります。

       

      遺産分割協議、事前に対処する方法

      遺産分割協議後のやり直しは、相続人間のトラブルが起きてしまったり、無駄に費用がかかってしまうなどデメリットが非常に大きくなってしまいます。遺産分割協議のやり直しができないことも多く、後になって泣き寝入りという事態にもなりかねません。遺産分割協議書に署名押印をしてしまってからでは対応が難しくなるケースが多々あります。遺産分割協議書を作成する前には、専門家などに相談されるとよいでしょう。

       

      まとめ

      今回は、遺産分割のやり直しについて解説しました。遺産分割協議後は基本的にやり直しができませんが、例外的に相続人全員の合意があった場合や、無効や取消しの場合については遺産分割のやり直しが可能となっています。しかし、不動産などの名義変更等により、譲渡・交換・贈与と判断されれば新たに課税の対象となってきます。このように遺産分割協議後の変更は相続人間の問題や余計に費用がかかってしまうことになります。相続発生時や遺産分割協議をする前には一度、専門家などに相談をされるとよいでしょう。

       

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