相続人のいない財産、誰がどう守る?「相続財産管理人」の役割と必要性
目次
相続財産管理人とは?
相続財産管理人とは,相続発生後、相続人がいない場合、明らかでない場合、相続放棄された場合などに、亡くなった方の利害関係のある第三者が相続財産管理人の選任申立を行い、相続財産を管理、清算する手続きを行う者を指します。
相続財産管理人の選任申立ができる人は?
法律によれば家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、相続財産の管理人を選任しなければならないとされています。「利害関係人」とは具体的に亡くなった方の債権者、特定遺贈(いぞう)を受けた者、特別縁故者などがこれにあたります。
相続財産管理人の選任が必要なケース
亡くなった方の債権者・特定遺贈を受けた方
亡くなった人にお金を貸した方・亡くなった方に不動産を貸していて賃料の支払いを受けていない方・特定遺贈を受けた方などは、相続人がいない状態では支払いを受けることができません。そのため相続財産管理人の選任申立をする必要があります。
特別縁故者
特別縁故者は相続財産が分与される可能性があります。詳しくは「6 相続財産管理人の申し立てから選任までの流れ」で解説します。
相続財産管理人が選任されないケース
相続人がいる場合
相続財産管理人は相続人がいない場合に選任されるため相続人がいる場合は選任されません。
包括受遺者が存在する場合
包括受遺者とは具体的には「全財産を○○に遺贈する。」というような遺言がなされた場合で当該遺贈を承認した人です。最高裁は全部の包括受遺者が存在する場合は、「相続人のあることが明らかでないとき」には当たらないものとしているため相続財産管理人は選任されません。
相続財産管理人選任の費用
相続財産管理人選任にかかる費用は以下の通りです。
①収入印紙800円分
②連絡用の郵便切手(各裁判所により異なります。)
③官報公告料4230円
④予納金(各裁判所・事案により額が異なります。)
相続財産管理人の申し立てから選任までの流れ
まとめ
今回は、相続財産管理人の選任についてみてきました。相続に関する手続きは専門性が高く複雑であるため、調査漏れという事態を防ぐためにも、各種専門家にお願いすることが安全であると思われます。
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