書類を読んでるお爺さん

ご両親など、年金受給者の死亡後には年金手続きを行わなければなりません。

しかし、一般の方にとって馴染みのある手続きではなく、
どこに・なにをすればいいのかわからない方がほとんどだと思います。

そこで今回は、年金受給者が亡くなった際の年金手続きについてご説明させていただきます。

 

目次

  1. 死亡した人の年金はどうなる?その後の年金続きは?
  2. 死亡後 年金手続き いつまで?
  3. 亡くなった後にもらえる遺族年金の仕組み
  4. まとめ

1、死亡した人の年金はどうなる?その後の年金続きは?

まずは年金受給者が死亡した事実を記した死亡届出書と、未支給年金請求の届出を提出する必要があります。
提出先は、最寄りの年金事務所年金相談センターのどちらかとなります。

 

また届け出を行う際には以下の書類が必要となります。

(1)死亡届出書

  • 死亡した旨が確認できる書類(戸籍謄本、死亡診断書の写し)
  • 受給権者死亡届(報告書)(複写帳票) ※様式は2部複写

【ダウンロードはこちら】
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/tetsuduki/kyotsu/jukyu/20140731-01.html

 

(2)未支給年金請求の届出

  • 受給者の年金証書
  • 受給者と手続きを行う者の関係を記す書類(戸籍謄本、法定相続情報など)
  • 受給者と同じ住所に住んでいたことが分かる書類(住民票、マイナンバー等)
  • 受け取りを行う金融機関の通帳

なお、金融機関の口座の証明を受けた場合は添付の必要はありません。

また、キャッシュカード、金融機関が発行する書類のコピー(金融機関名、支店名、口座番号、口座名義人のフリガナが確認できるもの)で代替することもできます。

また、ネット銀行の一部は、年金を受け取りできない銀行もあります。

・未支給年金・未支払給付金請求書(複写帳票) これについても受給権者死亡届(報告書)と同様に注意してください。

【ダウンロードはこちら】
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/todokesho/kyotsu/20140731-02.html

※マイナンバーカードの提示で簡略される書類などもあります。

2、死亡後 年金手続き いつまで?

遺族年金とは、亡くなった人によって、生計を維持されていた遺族の生活保障のための年金です。
年金と言えば、老後に受け取れる国民年金や厚生年金といった老齢年金がまず頭に浮かぶかもしれません。

遺族年金は、国民年金や厚生年金といった亡くなった人が生前加入していた年金の種類に異なりますので下記該当項目をご確認ください。

 

(1) 国民年金に加入していた配偶者が亡くなった場合

亡くなった人が国民年金の被保険者であった場合、受け取れる年金は遺族基礎年金となります。

【受給者資格】

亡くなった方に生計を維持されていた、子どものいる配偶者もしくは子ども

【遺族年金受給(遺族基礎年金・遺族厚生年金)の対象となる子どもの要件】

  • 18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子ども
  • 20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子ども
  • 婚姻していない子ども(18歳以下)

上記のいずれかの条件を満たす方は受給することが可能です。

【受給要件】

  • 国民年金の被保険者、または老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上ある人が亡くなったとき(保険料免除期間を含む保険料納付済期間が加入期間の3分の2以上あること)

※令和8(2026)年3月31日までの間は、亡くなった人が65歳未満で、死亡した月の前々月までの1年間に保険料の未納期間がないという要件を満たしていれば受給可能

  • 亡くなった人によって生計を維持されていた配偶者、または子どもの年収が850万円未満(年間所得655万5,000円未満)であること

※受給額については、受け取られる方によって異なるため年金事務所へお問い合わせ下さい。

【受給期間】

遺族基礎年金の受給資格がある期間は、子どもが18歳を迎える年度の3月31日を経過するまで、もしくは障害等級1級または2級の子どもが20歳を迎えるまでです。

【子どもがいない場合に受給可能な死亡一時金】

亡くなった方に子供がいない場合には、遺族基礎年金を受け取ることはできません。

しかし、代わりに「死亡一時金」を受け取ることができます。

死亡一時金は、遺族基礎年金を受給できないときに限って受け取れるもので、名前の通り一度に限り受給できる制度となります。

受給額は亡くなった人の保険料納付期間に応じて、12~32万円の間で決定され、受給期間は、被保険者が亡くなった翌日から2年以内となるため、期間内の申請にご注意ください。

 

(2)厚生年金に加入していた配偶者が亡くなった場合

亡くなった方が厚生年金の被保険者の場合、受け取れる年金は遺族厚生年金になります。

【受給者資格】

亡くなった方に生計を維持されていた

①配偶者または、18歳以下の子ども、孫、
20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の者

②55歳以上の夫、父母、祖父母(受給開始はいずれも60歳から)
遺族基礎年金との大きな違いは、子どものいない妻も年金を受給できるという点です。

ただし、対象者には優先順位があり、

 

配偶者>子>父母>孫>祖父母の順で受給者となります。

※1 子、孫は18歳以下の場合(障がい者は20歳以下)
※2 夫、父母、祖父母は55歳まで

また、要件に該当する子どもがいる配偶者は、遺族基礎年金も併せて受給することができます。

遺族基礎年金は夫も妻と同じように受給できますが、遺族厚生年金は妻を亡くした夫が55歳未満の場合は受給することができないので注意が必要です。

【受給額】

遺族厚生年金の受給額は、亡くなった人の年金加入実績に応じた金額となります。

※受給額については、受け取られる方によって異なるため年金事務所へお問合わせ下さい

【受給期間】

遺族厚生年金を受け取る場合は、被保険者が亡くなった時点での受給対象者の年齢や子どもの有無等により受給できる期間が異なります。

【妻】

30歳未満で子どもがいない方 … 5年間

30歳以上の方 … 子どもの有無にかかわらず、一生涯受給可能

3、亡くなった後にもらえる遺族年金の仕組み

受取人が今回亡くなった年金受給者の配偶者であった場合で、一定の要件を満たす場合

「寡婦年金」を受け取ることができます。

(1)寡婦年金の条件

受給者の死亡日の前日において、父が国民年金の第1号被保険者として保険料を納めた期間(免除期間を含む)が10年以上だった場合・父と母が10年以上継続して婚姻関係にあり、母が父に生計維持されていたこと。

(2)寡婦年金申請の必要書類

  • 年金請求書
  • 亡くなった方の年金手帳・戸籍謄本(受給権発生日以降で提出日から6ヶ月以内に交付されたもの)
  • 世帯全員の住民票※写し可
  • 亡くなった受給者の住民票の除票

所得証明書、課税(非課税)証明書、源泉徴収票等、母の収入が確認できる書類

  • 受取先金融機関の通帳等(受取人)

預金通帳またはキャッシュカード(コピーも可)などで良い場合や、添付不要な場合有り

  • 受取人の年金証書

【ダウンロードはこちら】
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/tetsuduki/sonota-kyufu/20140422.html

まとめ

やなぎ総合法務事務所のスタッフ一同

ご両親や相続人が突然死亡した場合には、何をすればいいのかわからない方がほとんどです。

しかし、ご遺族の生活を支える大事な収入源であるため、なるべく早く手続きを進めたいと考える方も多いのではないでしょうか。また、年金は多く受け取りすぎると返還の義務が生じるため出来る限り早めに手続きする事をお勧めします。

また未支給年金は確定申告が必要となる場合もありますので、注意が必要です。

弊所やなぎグループでは、死亡後の手続きサポートや、その後の相続手続きについても無料相談を実施しております。

事務所も大阪市阿倍野区あべの筋(天王寺)と東京都渋谷区(恵比寿)に事務所を構え、広範囲でのご相談にも対応可能としております。

相談員も司法書士のほか、弁護士、税理士、土地家屋調査士、行政書士、相続診断士、FPなどの様々な士業が在籍・連携しており、お客様に合ったアドバイスをさせていただきます。

セカンドオピニオン相談も受け付けておりますので、今回のような生前対策以外にも、相続や遺言、成年後見、任意後見、登記、税金のことなど、どんなお悩みでも結構ですのでお気軽にご相談ください。

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著者情報

代表 柳本 良太

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    <資格>

  • 2004年 宅地建物取引主任者試験合格
  • 2009年 貸金業務取扱主任者試験合格
  • 2009年 司法書士試験合格
  • 2010年 行政書士試験合格
司法書士法人やなぎ総合法務事務所運営の相続・家族信託相談所