相続はどこに相談すべき?
相続手続きについて悩みや疑問等がある場合、市区町村の役場などの公的機関での無料相談や、弁護士、司法書士、行政書士、税理士といった専門家を活用することで円滑に問題を解決することができる可能性があります。
この記事では、相続に関する無料相談ができる公的機関の窓口や、各専門家に依頼できることなどを解説します。
■目次
1.市区町村の役場などの公的機関では無料で相続の相談が可能
1-1.市区町村の役場
1-2.税務署
1-3.国によって設立された法テラス
1-4.無料相談での解決が困難な場合には専門家に依頼を検討しましょう
2.費用が必要でもサポート内容は充実!弁護士、司法書士、行政書士、税理士の専門家活用法
2-1.弁護士の場合
2-2.司法書士の場合
2-3.行政書士の場合
2-4.税理士の場合
1市役所や公的機関では無料で相続の相談が可能
相続手続きや相続税について疑問や悩みがある場合、市役所や公的機関での無料相談を活用すれば、解決方法を見つけられるかもしれません。各機関でどのようなサポートをおこなっているのか見てみましょう。
1-1市区町村の役場
市区町村の役場の場合、相続に関する疑問や悩みについて、弁護士や司法書士などの専門家に無料で相談することができる場合があります。
受付時間に関しては、市区町村の役場によって異なりますので、詳しくは地域の役所に確認をしましょう。役所によっては、事前に予約が必要となる場合もあります。対面による相談のほか、電話での相談が可能な場合もあります。
都道府県によって、公式サイトに相続に関する相談窓口の情報が記載されている場合があります。
1-2税務署
税務署の場合、相続税に関する疑問や悩みについて、対面または電話での相談をすることができます。相談の受付時間は、月曜日から金曜日(祝日を除く)の8時30分から17時までとなります。土日の相談は受け付けておりません。
また、電話での相談をおこなう場合、所轄の税務署(こちらから検索ができます)に電話で問い合わせをし、音声案内のガイダンスにしたがって内容を選択すると国税局電話相談センターにつながり職員が疑問や悩み、質問などに答えてくれます。
対面による相談をしたい場合、事前に予約が必要となります。所轄の税務署に電話で問い合わせをし、相談の日時の予約を取るようにしましょう。
1-3国によって設立された法テラス
法テラス (日本司法支援センター)とは、「相続」「離婚」「借金」などの様々な法的トラブルを解決するための窓口として国によって設立された機関となります。
相続について疑問や悩みがある場合、電話やメールで相談をすることができます。相談内容から必要に応じて、相談機関や団体など(全国にある弁護士会や司法書士会、地方公共団体の相談窓口など)を紹介してもらうことができます。
電話での相談をしたい場合、法テラス・サポートダイヤル(0570−078374)となります。受付時間は、平日9時〜21時、土曜日9時〜17時となっています。専門オペレーターが、相談された内容に応じて、一般的な法制度や手続き方法、相談窓口などを案内してくれます。メールでの相談は24時間受け付けが可能となっています。
収入や資産が一定額以下などの条件を満たす場合には弁護士、司法書士による無料相談を受けることが可能です。対面または電話、オンラインでの相談も可能となります。利用条件の詳細はこちらから確認できます。
1-4無料相談での解決が困難な場合には専門家に依頼を検討しましょう
上記でご説明した公的機関において、無料による相談ができるメリットがある一方、受付時間が平日のみの日中に制限されていたり、相談は年度内に1回までなどの回数制限が設けられていたりとデメリットもあります。
また、手続きの仕方やトラブルの対処法についてアドバイスを聞くことができますが、実際に解決するには相談者様自身でおこなうことなります。相手方との交渉、手続きの代行、専門家を紹介してもらうなど、アドバイス以上の対応はできない事が一般的です。トラブルとなっている内容が複雑な場合など、無料相談だけでは解決することが困難な場合は、弁護士や司法書士などの専門家への相談、依頼を検討することをおすすめします。
2.弁護士、司法書士、行政書士、税理士などの専門家活用法
費用はかかるもののサポート内容は充実!
上記でご説明した無料相談だけでは解決が困難な場合、弁護士、司法書士、行政書士、税理士などの専門家に依頼することをおすすめします。費用はかかりますが、他の相続人との交渉、複雑な手続きの代行等、様々なサポートを受けることができます。専門家に依頼することで、必要書類の収集のために膨大な時間を費やすことや会社などを休む必要もなくなることが多く、円滑に手続きが進んでいきます。
依頼先として考えられるのは、次のような専門家です。
・弁護士 ・司法書士 ・行政書士 ・税理士
依頼できる業務は専門家ごとに異なります。
●弁護士
4つの士業の専門家の中でも、依頼をすることができる業務範囲が最も幅広いのが弁護士となります。相続に関する調査や手続き代行、代理人として他の相続人と交渉してもらうなど、相続に関する業務を広範囲に渡って依頼することができます。とくに相続人間での話合い、調停、審判など裁判所でおこなう手続きにおいて、代理人となれるのは基本的に弁護士だけとなっています。相続人間での話合いがまとまらない可能性がある場合には、早い段階で弁護士に相談や依頼をしてみるほうか良いかもしれません。自分に代わりとなって他の相続人と交渉をしてもらえますし、もし調停や審判に発展したとしても、そのまま代理人としてサポートしてもらえるというメリットがあります。
●司法書士
司法書士には、相続をした不動産の名義変更(相続登記)、相続人の調査業務、財産をどのように分けるかの話合い、結果をまとめた遺産分割協議書の作成などといった業務を依頼できます。専門家の中で相続登記をおこなえるのは、弁護士と司法書士だけとなります。相続人間で争いがなく、手続きだけを依頼する場合には、弁護士よりも司法書士に依頼する方が費用を抑えられる可能性があります。
●行政書士
行政書士には、相続人調査などの調査業務や、遺産分割協議書などの書類作成を依頼することができます。預貯金、株式、車の名義変更の手続きは依頼できますが、不動産の名義変更(相続登記)については手続きすることができません。他の相続人との交渉、代理人として裁判手続きをしてもらうこともできません。行政書士の業務は、弁護士や司法書士の業務範囲に含まれています。弁護士や司法書士への依頼を検討している場合、別途行政書士に依頼をする必要はありません。
●税理士
相続税の申告や税金面に特化してサポートしてくれるのが税理士です。相続税が発生するかの試算、相続税の申告といった業務を依頼することができます。税理士ドットコムでは、依頼内容や予算に関するお悩みに応じて、税理士を無料で紹介するサービスを提供しています。
銀行(金融機関)の相続手続きサービスを利用する方法
相続人間での争いなく手続きだけを代行してほしい場合には、銀行(金融機関)が提供するサービスを選択する方法もあります。
サービス内容は各銀行によって異なりますが、財産調査や遺産分割協議書の作成、各相続人への分配金の入金といった手続きをしてもらうことができます。ただし、一定の条件を満たす必要がある場合がほとんどですので、詳しくは各銀行に問い合わせましょう。
3.まとめ
相続に関する疑問や悩みがあった場合に、解決するための手段や方法についてご紹介しました。
相続が発生したときに「手続き方法がわからない」「仕事が忙しく時間がない」「問題が生じている」など、困ってしまうことが多いです。このようなときに、専門家に相談や依頼をすることで複雑な相続手続きや問題をスムーズに解決することが出来ます。弊所においても、相続に関する知識と実績が豊富な弁護士、司法書士、行政書士、税理士などがご対応いたします。
司法書士法人やなぎ総合法務事務所では、相続に関するご相談やご依頼を数多く取り扱っており、実務においても経験豊富な弁護士、司法書士、行政書士、税理士、CFP、土地家屋調査士等の専門家が問題解決、目的達成に向けて取り組みます。
弊所は、大阪(阿倍野区・天王寺)、東京(渋谷区・恵比寿・広尾)事務所にて無料相談も受け付けております。どんな些細なご相談も親身になり、お答えいたします。お気軽にご相談、お問い合わせください。
司法書士法人やなぎ総合法務事務所では、相続、家族信託、民事信託、生前贈与、認知症対策、遺言書作成、遺産分割、相続放棄、不動産登記、名義変更等、数多くの書類作成、申請などを行っております。
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著者情報
代表 柳本 良太
- <所属>
- 司法書士法人 やなぎ総合法務事務所 代表社員
- 行政書士法人 やなぎKAJIグループ 代表社員
- やなぎコンサルティングオフィス株式会社 代表取締役
- 桜ことのは日本語学院 代表理事
- LEC東京リーガルマインド資格学校 元専任講師
- <資格>
- 2004年 宅地建物取引主任者試験合格
- 2009年 貸金業務取扱主任者試験合格
- 2009年 司法書士試験合格
- 2010年 行政書士試験合格