相続財産の調査方法【預貯金編】
目次
1 はじめに
2 預貯金の種類
3 預貯金の調査方法
4 まとめ
1 はじめに
前回は、「相続財産」とは何か?という話に始まり、相続財産の具体例などをみてきましたが、今回からは各財産の種類や調査方法をみていきたいと思います。
なお、本内容は、前回のブログからの続きとなりますので、同じ内容が出てこないようにしております。そのため、前回のブログをまだご覧になっていない方につきましては、あわせてそちらもご確認いただけますと幸いです。
・相続財産の調査方法まとめ
・相続財産の調査方法【有価証券編】
2 預貯金の種類
まず、そもそも「預貯金」とは何か?
「預貯金」とは、一定の金額につき一定の期間銀行等の金融機関に預けると決められた金利で運用がされ、満期の際や預けた者から請求があった際に元本と利息が支払われる金融商品のことをいいます。
この預貯金は、「預金」と「貯金」をまとめた単語ですが、この2つに何か違いがあるのでしょうか?
結論を言いますと、この2つは、金融機関において名称が異なるだけであって、内容としては異なりません。
「貯金」は、ゆうちょ銀行や農業協同組合(いわゆる「農協」)等の一部の金融機関で使用されている商品の名称であり、「預金」はそれ以外の金融機関で使用されている名称を言います。
この他に、一部の信用組合等では、口座を開設するにあたり「出資金」といったものもあったりしますが、これは預貯金とはまた別のものとなりますので、ここでは割愛させていただきます。なお、当然のことながらこの出資金も相続財産の対象となります。
3 預貯金の調査方法
次に預貯金の調査方法をみていきましょう。
そもそも預貯金の調査を行うにあたっては、被相続人(お亡くなりになった方)が、どの金融機関で口座を持っていたかを確認することが必要となります。
この確認は、どこかの機関で「Aさん(被相続人の名前)は、生前どこの金融機関で口座を持っていましたか?」と聞いて「Aさんは、B銀行と、C銀行とD信用金庫で口座を持っていましたよ。」と一括で答えてくれればありがたいのですが、残念ながらそうした機関はありません。
また、全国の金融機関に電話を掛ける等してしらみつぶしに調べていくという方法も可能ではありますが、調査が膨大となり現実的ではありません。
そこで、被相続人が生前に持っていた通帳やキャッシュカード、金融機関から届いている手紙やメール等のヒントをもとに対象の金融機関に亡くなった時点で口座を持っていたかを確認することが一般的な調査方法となります。ちなみに、昔から金融機関に口座をお持ちの方については、通帳ではなく証書形式のものもあります。
ヒントが出てきた後は、対象の金融機関に直接赴くか、郵送や電話でやり取りをすることによって、被相続人が亡くなった時点で口座を持っていたか、持っていたとしてどのような預貯金種類(普通か定期か等)でいくら残高があるかを確認していくこととなります。
なお、現在、金融機関に直接赴く際はほとんどの金融機関で事前予約が必要となりますので、ご注意ください。
また、金融機関で調査を行う際は、「残高証明書」というその方の口座の情報が記載されている証明書を取得しておくと今後のお手続きで役立ちます(この残高証明書については、発行手数料が必要となります。発行手数料は、金融機関によって異なるため、事前に金融機関に確認しておくことをおすすめします。)。
最後に、調査や残高証明書の発行にあたって必要なものについてですが、こちらは前回のブログで挙げたものが一般的な必要物となりますので、そちらをご参考にしてください(ここで挙げた必要なものについては、一般的なものになりますので、金融機関によって異なる場合があります。そのため、ご自身で確認される場合は、必ず事前に金融機関に確認されることをおすすめします。)
4 まとめ
今回は、預貯金の調査に関する概要をみてきました。
預貯金の調査は必要な書類等が多く、手続きも専門的なことが多いです。また、うっかり調査漏れという事態を防ぐためにも、各種専門家にお願いすることが安全であると思われます。
司法書士法人やなぎ総合法務事務所では、相続に関するご相談や、ご依頼を数多く扱っており、実務においても手続きに経験豊富な司法書士、弁護士、行政書士、税理士、土地家屋調査士、相続診断士、CFP 等の専門家がご依頼の内容に全力で取り組みます。
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著者情報
代表 柳本 良太
- <所属>
- 司法書士法人 やなぎ総合法務事務所 代表社員
- 行政書士法人 やなぎKAJIグループ 代表社員
- やなぎコンサルティングオフィス株式会社 代表取締役
- 桜ことのは日本語学院 代表理事
- LEC東京リーガルマインド資格学校 元専任講師
- <資格>
- 2004年 宅地建物取引主任者試験合格
- 2009年 貸金業務取扱主任者試験合格
- 2009年 司法書士試験合格
- 2010年 行政書士試験合格