亡くなった方の準確定申告
「亡くなった家族の確定申告はどうすればいい?」
「亡くなった家族の確定申告は必要?」
などご質問をお持ち方
当記事では亡くなった人の生前の所得に対する確定申告である準確定申告について期限、注意点、手続き方法を紹介しています。
目次
準確定申告とは
亡くなった人の生前の所得に対する確定申告のことを指し、亡くなった人の代わりに相続人全員が共同で申告する必要があります。
通常の確定申告と共通する部分が多いですが、なかには準確定申告特有のルールも存在します。
準確定申告の期限と注意点
準確定申告の期限は4カ月です。
期限内に申告をしなかった場合、加算税や延滞税という追徴税が課される可能性があります。
また、申告をしないと本来は得られるはずだった還付金がもらえないということもあります。
手続き方法
準確定申告の手続き方法は以下の通りです。
①相続人の代表者を決める
2人以上の相続人がいる場合、各相続人が連署をして準確定申告を1つにまとめて提出する方法と、相続人がそれぞれで申告する方法があります。
1つにまとめて提出する場合:
相続人の中で代表者を決め、代表者は税務署から送られてくる書類の受領や役所へ申請手続き、関係機関への問い合わせなどを行うことになります。
相続人がそれぞれ申告する場合:
手続きの内容を他の相続人等に通知する必要があります。通知を確認し合うことで、申告内容が異なることのないようにしなければなりません。
②必要書類を入手する
準確定申告の申告書は、通常の確定申告の様式と同じものを使います。
ですが、「死亡した者の所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表」という、準確定申告の場合のみに必要となる書類があります。
また、準確定申告で還付金が出る場合、還付金は原則として各人の相続分に応じて分配されますが、「委任状(準確定申告用)」を提出し、還付金を特定の1人に受け取りを指定することができます。
これらの必要書類は、税務署の窓口で入手するほか、国税庁のホームページからダウンロードすることもできます。
③書類を作成する
注意点としては、通常の確定申告書に被相続人の氏名や死亡日を付記することです。
住所や氏名欄に被相続人・相続人それぞれのものを付記します。
また、表題の「確定申告書」の前に「準」を付け加え、「確定申告書」を「準確定申告」に修正します。
④申告書等を提出する[持参・郵送・電子申告(e-Tax)]
準確定申告書等を作成したら、「税務署に持参」「税務署に郵送」「電子申告をする」の3つの方法から選んで提出します。
e-Taxで電子申告を行う場合、相続人それぞれが手続きを行うことができないため、必ず相続人の代表者を定め、その代表者がまとめて手続きを行うことになります。
また、「準確定申告書」「準確定申告書の付表」の他、「準確定申告の確認書」という書類が追加で必要となります。
これは、準確定申告の電子申告を相続人の代表者に委託する旨を記すもので、相続人がそれぞれ押印し、押印したものをPDFにして、電子申告の際に添付します。
相続登記も忘れずに
法改正により、相続登記の義務化が令和6年4月1日から始まり、相続の開始及び所有権を取得したことを知った日から3年以内に不動産の名義変更登記をしなければならなくなります。
正当な理由がないにもかかわらず、申請をしなかった場合には、10万円以下の過料が科されることがあります。
・正当な理由の例
➀相続登記を放置したために相続人が極めて多数に上り、戸籍謄本等の必要な資料の収集や他の相続人の把握に多くの時間を要するケース
➁遺言の有効性や遺産の範囲等が争われているケース
➂請義務を負う相続人自身に重病等の事情があるケース など
相続サイト | |
所在地 |
|
その他 |
|
著者情報
代表 柳本 良太
- <所属>
- 司法書士法人 やなぎ総合法務事務所 代表社員
- 行政書士法人 やなぎKAJIグループ 代表社員
- やなぎコンサルティングオフィス株式会社 代表取締役
- 桜ことのは日本語学院 代表理事
- LEC東京リーガルマインド資格学校 元専任講師
- <資格>
- 2004年 宅地建物取引主任者試験合格
- 2009年 貸金業務取扱主任者試験合格
- 2009年 司法書士試験合格
- 2010年 行政書士試験合格