相続時に不動産登記の名義変更をしない人の6つの特徴
前回は相続時に不動産登記の名義変更をすべき3つの理由についてお話しました。
記事の通り、相続時に不動産登記の名義変更はすべきなのですが、名義変更しないで、さまざまな誤解により怠っているケースが多発しております。
では、どうして名義変更をしないのでしょうか?その誤解とは何でしょうか?
今回は皆さんが名義変更をしないケースや登記をしない理由についてやなぎ総合法務事務所がお答えします。
■死亡した人が遠方に土地を持っていた場合に、遺族の方(相続人)が発見することができずに名義変更を怠ったケース
このまま放置しておくと、相続する権利を保有する相続人が時間と共にどんどん増えてしまい、遺産分割がスムーズにいかなくなります。
より多くの時間と費用を要することになってしまいます。
■相続登記をすると、多額の相続税が課せられると思い込んでいる
相続税が課せられるのは、一定の財産を保有する方のみであり、相続案件全体の7~8%程度です。
また、相続税は、たとえ相続登記をしなくても発生します。
むしろ、適正な遺産分割協議を期間内に行わないことで、相続税軽減の特例を利用できなくなりますので、注意が必要です。
■登記済証(権利証)を紛失したため、登記ができないと思い込んでいる
不動産を所有している方は、ほとんどの方が権利証(不動産登記法改正により権利証が発行されていない場合は、登記識別情報通知)をもっておられると思います。
一般的に知られていませんが、権利証を紛失してしまった場合、再発行されることはないものの、相続登記は、基本的には権利証がなくとも行うことができるのです。
そして、新たに所有者となられた方(相続人)に登記識別情報通知が発行されます。
■相続人が(借金などを理由に)行方不明になってしまい、その相続人が不在のため、相続ができないと思い込み名義変更をしなかった。
相続人がなんらかの理由で行方不明になってしまうこともあります。しかし、その相続人不在ではもちろん遺産分割協議は成立しません。
ですから、このような場合に、家庭裁判所に「不在者財産管理人の申立て」を行い、行方不明になってしまった相続人の代わりに、法律の専門家などが家庭裁判所の許可を得て、話し合いに参加し、遺産を分割することができます。
■なんらかの理由で登記をせずに、そのまま長期間経過してしまった場合、罰則を恐れて、名義変更ができなかった。
名義変更をしなかったからといって、罰則などの規定はございません。ですから、すぐに名義変更することをお勧めいたします。
■そもそも登記が必要なことすら知らない。
新しく土地を取得した場合は、所有権の移転登記が必要になりますし、建物を購入した場合などは、所有権の保存、移転登記が必要になります。
自分の土地の権利を守るためにも、登記は絶対にしておくべきです。
【まとめ】
このように、登記手続きには明確な期限が定まっていないために、多くの誤解により名義変更を怠っているケースが見られます。
しかし、どのケースをとってみても、名義変更をしなかった場合のデメリットの方が多く、やはりお早めに名義変更はした方がよいということになります。
皆さんも、大切なご家族や子孫のためにも、相続時にはきちんと不動産の名義変更を行うようにしましょう。
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著者情報
代表 柳本 良太
- <所属>
- 司法書士法人 やなぎ総合法務事務所 代表社員
- 行政書士法人 やなぎKAJIグループ 代表社員
- やなぎコンサルティングオフィス株式会社 代表取締役
- 桜ことのは日本語学院 代表理事
- LEC東京リーガルマインド資格学校 元専任講師
- <資格>
- 2004年 宅地建物取引主任者試験合格
- 2009年 貸金業務取扱主任者試験合格
- 2009年 司法書士試験合格
- 2010年 行政書士試験合格