ご両親や配偶者等が亡くなった際に起こる相続問題ですが、

弊所に相談に来られるお客様より時折、不動産の名義変更を行わずに放置していた場合の罰則は何かあるのか?

というお問い合わせをいただく場合があります。

 

相続発生時の名義変更が行われない物件は実際に多く存在し、その結果、所有者不明になることで固定資産税の未回収や、倒壊などによる被害、町の美観を損なうなど、様々な視点で問題視されています。

 

そこで、法制審議会の民法・不動産登記法部会26回会議にて、2021年2月2日「民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)の改正等に関する要綱案」を決定しました。

この要綱案の一番の柱は、「相続登記」や「氏名又は名称及び住所の変更登記」の義務化です。政府は今国会での関連法案提出を目指しており、法案が成立すれば2023年度から施行される見通しです。

 

相続等による所有者不明土地の発生を予防するため、所有者不明土地を円滑かつ適正に利用するため、民法及び不動産登記法を改正する今回の要綱案が発表されました。

 

改正案の3つのポイントについて当ブログにてご説明させていただきます。

 

目次

  1. 相続登記の義務化と罰則の制定
  2. 氏名・住所の変更登記の義務化と罰則の制定
  3. 土地の所有権放棄の制度化
  4. まとめ

① 相続登記の義務化と罰則の制定

これまで、相続発生時の登記変更を行わなかった人に対しての罰則はありませんでしたが、それに対し、改正後は相続人が相続・遺贈で不動産取得を知ってから3年以内に登記申請することを義務化され、違反者には10万円以下の過料の対象となります。

相続開始から3年以内に遺産分割協議がまとまらずに相続登記ができない場合は、法定相続分による相続登記を行うか、自分が相続人であることを期間内に申請 (仮称:相続人申告登記)すれば過料は免れることが認められます。

申請した相続人申告登記を行った者は、氏名・住所などが登記簿に記載されることになります。

ただし、分割協議内容が決定したのち不動産取得をした場合にも3年以内の登記申請が必要です。申請を行わなかった場合には同じく10万円以下の過料の対象となります。

そして、このような相続登記促進のため、所有している不動産の一覧情報(仮称:所有不動産記録証明書)を所有者本人やその相続人が法務局に交付請求できる制度も新設されます。

今回は相続時の登記の義務化についてご紹介させていただきましたので次回は②氏名・住所の変更登記の義務化と罰則の制定についてご説明させていただきます。

なお、弊所やなぎグループでは、相続発生時のご相談や、その後の各種手続きについても無料相談を実施しております。

事務所も大阪市阿倍野区あべの筋(天王寺)と東京都渋谷区(恵比寿)に事務所を構え、広範囲でのご相談にも対応可能としております。

相談員も司法書士のほか、弁護士、税理士、土地家屋調査士、行政書士、相続診断士、FPなどの様々な士業が在籍・連携しており、お客様に合ったアドバイスをさせていただきます。

② 氏名・住所の変更登記の義務化と罰則の制定

所有者である方の氏名、名称、及び住所の変更があった場合には、事件発生した日から2年以内の変更登記申請が義務化されます。違反者には5万円以下の罰則が設けられます。

今回は氏名変更・住所変更登記についての改正点に触れましたので、次回は新制度である土地所有権放棄についての改正点をご紹介させていただきます。

なお、弊所やなぎグループでは、相続発生時のご相談や、その後の各種手続きについても無料相談を実施しております。

事務所も大阪市阿倍野区あべの筋(天王寺)と東京都渋谷区(恵比寿)に事務所を構え、広範囲でのご相談にも対応可能としております。

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セカンドオピニオン相談も受け付けておりますので、相続や遺言、成年後見、任意後見、登記、税金のことなど、どんなお悩みでも結構ですのでお気軽にご相談ください。

 

③ 土地の所有権放棄の制度化

新たな制度として、土地を所有した人が所有権放棄を行い国へ返還することが認められるようになります。

以下のどの条件にも該当しない場合のみ認められます

  1. 建物の存する土地
  2. 担保権又は使用及び収益を目的とする権利が設定されている土地
  3. 通路その他の他人による使用が予定される土地として政令で定めるものが含まれる土地
  4. 土壌汚染対策法第2条第1項に規定する特定有害物質(法務省令で定める基準を超えるものに限る。)により汚染されている土地
  5. 境界が明らかでない土地その他の所有権の存否、帰属又は範囲について争いがある土地
  6. 崖(勾配、高さその他の事項について政令で定める基準に該当するものに限る。)がある土地のうち、その通常の管理に当たり過分の費用又は労力を要するもの
  7. 土地の通常の管理又は処分を阻害する工作物、車両又は樹木その他の有体物が地上に存する土地
  8. 除去しなければ土地の通常の管理又は処分をすることができない有体物が地下に存する土地
  9. 隣接する土地の所有者その他の者との争訟によらなければ通常の管理又は処分をすることができない土地として政令で定めるもの
  10. ①から⑨までに掲げる土地のほか、通常の管理又は処分をするに当たり過分の費用又は労力を要する土地として政令で定めるもの※土地の一筆ごとの承認となります。

 

申請時には、実費手数料と国が10年間管理するのに必要となる標準的な費用(100㎡の宅地で40万円程度が目安)を申請者が納付することも条件となっています。

 

不動産登記・名義変更はこちら(東京事務所)

不動産登記・名義変更はこちら(大阪事務所)

 

まとめ

冒頭にもお話しましたが、これまで相続発生時に名義の変更などが行われず、所有者不明となる物件が度々問題となっていました。

そのことで公共事業用地としての買収が進まず、地域発展に影響が出るなど問題は様々でした。今回ご紹介させていただいた制度が実用化されれば、空き家なども減少していくことと期待されます。

また、これまでに分割協議がまとまらず、登記変更などをそのままにしていた方や、手続きが患わしくそのままにしていた方などがいらっしゃいましたら、弊所まで一度ご相談下さい。

また、弊所やなぎグループでは、相続発生時のご相談や、その後の各種手続きについても無料相談を実施しております。

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著者情報

代表 柳本 良太

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    <資格>

  • 2004年 宅地建物取引主任者試験合格
  • 2009年 貸金業務取扱主任者試験合格
  • 2009年 司法書士試験合格
  • 2010年 行政書士試験合格
司法書士法人やなぎ総合法務事務所運営の相続・家族信託相談所