相続について相続人で話し合うとき「法律で決められた割合でいいのではないか?」という意見を持たれる方はいると思います。しかし、「そもそも法律で決められた割合は?」「計算の仕方は?」等の疑問があると思います。今回はケース別に計算方法をみていくので上記のような疑問を持たれた方はご覧になっていただけると幸いです。

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目次

1 親と子どもの場合
2 妻(夫)と義父母の場合
3 妻(夫)と兄弟姉妹の場合
4 まとめ

 

1 親と子どもの場合

ケース1

AとBという夫婦には夫婦の子供であるCとDがいました。Aが亡くなりました。

 

Bの相続分 2分の1

Cの相続分 4分の1

Dの相続分 4分の1

法律によると子と配偶者(亡くなった方の夫または妻)が相続人のときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各2分の1です。BはAの配偶者のため相続分の割合は2分の1です。Aには子が2人います。法律がいう子の相続分が2分の1というのは子が全員で2分の1という意味です。子が複数人いる場合子の数で等分します。今回のケースでは子が2人のため相続分の2分の1を2で割ります。その結果上記の通りBとCの相続分は各4分の1となります。

Q&A

Q1 私には長年同居している人がいるのですが相続人となりますか?
A  法律でいうところの配偶者とは婚姻届を提出している戸籍上の夫又は妻です。つまりいわゆる事実婚・内縁の夫又は妻には相続権がありません。

Q2 私は亡くなった人の養子なのですが相続人になりますか?
A  養子も「子」であるので実子と同じ割合で相続します。なお養子は養親を相続したとしても実親の相続権が失われません。

 

ケース2

AとBという夫婦には夫婦の子供であるCとDがいました。Cが亡くなり、その後Aが亡くなりました。CにはEという配偶者と子F及びGがいます。

 

Bの相続分 2分の1

Dの相続分 4分の1

Fの相続分 8分の1

Gの相続分 8分の1

 

BとDの計算についてはケース1と同じです。Cが生きていた場合のCの相続分である4分の1はCの子FとGが相続します。この場合4分の1をCの子で等分します。つまり今回のケースでは子が2人のため相続分の4分の1を2で割ります。

Q&A

Q 私の曾祖父が亡くなったのですが私の父(曾祖父からみると孫)と祖父(曾祖父からみると子)は亡くなっています。私は相続人になりますか?

A なります。

 

 

2 妻(夫)と義父母の場合

ケース3

AとBという夫婦には夫婦の子がいません。Aが亡くなりました。Aには親のCとDがいます。

Bの相続分 3分の2

Cの相続分 6分の1

Dの相続分 6分の1

 

法律によると配偶者及び直系尊属(親・祖父母)が相続人であるときは、配偶者の相続分は、3分の2、直系尊属の相続分は、3分の1です。BはAの配偶者のため相続分の割合は3分の2です。法律がいう直系尊属(親・祖父母)の相続分が3分の1というのは直系尊属(親・祖父母)が全員で3分の1という意味です。直系尊属(親・祖父母)が複数人いる場合直系尊属(親・祖父母)の数で等分します。今回のケースでは親が2人のため相続分の3分の1を2で割ります。その結果上記の通りCとDの相続分は各6分の1となります。

 

3 妻(夫)と兄弟姉妹の場合

ケース4

AとBという夫婦には子がいません。Aが亡くなりました。Aには兄弟のCとDがいますが、Aの両親は亡くなっています。

 

Bの相続分 4分の3

Cの相続分 8分の1

Dの相続分 8分の1

法律によると配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、4分の3、兄弟姉妹の相続分は、4分の1です。BはAの配偶者のため相続分の割合は4分の3です。法律がいう兄弟姉妹の相続分が4分の1というのは兄弟姉妹が全員で4分の1という意味です。兄弟姉妹が複数人いる場合兄弟姉妹の数で等分します。今回のケースでは兄弟姉妹が2人のため相続分の4分の1を2で割ります。その結果上記の通りCとDの相続分は各8分の1となります。

 

ケース5

AとBという夫婦には子がいません。Aが亡くなりました。Aには兄弟のCと腹違いの弟Dがいますが、Aの両親は亡くなっています。

 

Bの相続分 4分の3

Cの相続分 6分の1

Dの相続分 12分の1

法律によると父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1です。簡単にいうと腹違いの兄弟姉妹は同腹の兄弟姉妹の2分の1になるということです。このケースの場合CとDの割合が2:1になりますので、分数にするとCが3分の2、Dが3分の1となります。兄弟姉妹全体の相続分が4分の1にそれぞれの割合をかけると上記の結果になります。

なお上記の例はすべて配偶者が生きているケースですが配偶者が亡くなっている場合相続財産全額を子がいる場合は子の数で等分、子がいない場合は直系尊属(親・祖父母)の数で等分、子・直系尊属(親・祖父母)がいない場合は兄弟姉妹の数で等分してください。

 

4 まとめ

今回は、相続分の計算方法についてみてきました。相続に関する手続きは専門性が高く複雑であるため、調査漏れという事態を防ぐためにも、各種専門家にお願いすることが安全であると思われます。

 

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代表 柳本 良太

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    <資格>

  • 2004年 宅地建物取引主任者試験合格
  • 2009年 貸金業務取扱主任者試験合格
  • 2009年 司法書士試験合格
  • 2010年 行政書士試験合格
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